作品名:APPLESEED
出演:小林愛、小杉十郎太、松岡由貴
監督:荒牧伸志
「攻殻機動隊」の士郎正宗の原作、監督にアニメのメカニックデザインでその才能を知らしめている荒牧伸志(「バブルガムクライシス」)、そしてあの「ピンポン」の監督、曽利文彦がプロデューサーを務めた彼ら渾身の一作。さらに坂本龍一が音楽に参加するなど製作者側の面子には全く隙がない。CG技術を物語全編に投入、ほとんど経験したことのないほどの3D映像の迫力から得られるカタルシス。映像に関してはかなりの進歩を感じる。
ストーリーだが、大きなテーマはクローン人間。クローン人間といった遺伝子工学分野の発展に対する疑問等を扱うアニメは非常に多い。クローン羊ドリーの誕生時ほど最近ではそれほど注目を浴びてはいないが、確実に研究は発展し続けており、特に治療目的のクローニングはたびたび行われている。若干それたが、本編の舞台は人類が戦争に明け暮れている中、唯一存在する平和都市のオリンポス。しかしここでもまたクローン人間「バイオロイド」と人間の共生の実現、バイオロイドの生殖能力の是非をめぐり議論がなされていた。主人公デュナンと事故により機械化した彼女の恋人ブリアリオスが共闘して正体の分からない敵と戦ってゆく‥
最後の結末には若干腑に落ちない点があるが、ストーリー性は十分にあり、映像の素晴らしさを考慮してとても楽しめる作品である。
